【2026年最新】入管法改正完全ガイド|育成就労・経営管理ビザ・特定技能の変更点を行政書士が徹底解説
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【2026年最新】入管法改正完全ガイド|育成就労・経営管理ビザ・特定技能の変更点を行政書士が徹底解説

執筆者:行政書士 伊敷 紀巳雄

目次

1. はじめに:直近の入管法改正で外国人雇用はこう変わる
2. 【最重要】2027年4月施行:技能実習廃止と育成就労制度の創設
3. 【2025年10月施行済】経営管理ビザの厳格化:資本金3000万円時代へ
4. 特定技能制度の適正化:転籍要件の緩和と受入枠の拡大
5. 永住許可・在留資格取消し要件の厳格化
6. 不法就労助長罪の罰則強化:企業が注意すべきポイント
7. 企業が今すぐ取るべき5つの対応策
8. Q&A:よくある質問と行政書士からのアドバイス
9. まとめ:入管法改正への対応は行政書士にお任せください

1. はじめに:直近の入管法改正で外国人雇用はこう変わる

外国人を雇用する企業の皆様、外国人の皆様、こんにちは。行政書士の伊敷 紀巳雄です。

2024年6月14日、出入国管理及び難民認定法(入管法)の大規模な改正法が国会で可決・成立し、同月21日に公布されました。

この改正は、日本の外国人受入れ制度を根本から変える歴史的な転換点です。

改正の3つの柱
技能実習制度の廃止:2027年4月から『育成就労制度』へ移行
経営管理ビザの厳格化:2025年10月16日施行、資本金3000万円要件
特定技能・永住許可の見直し:適正化と要件厳格化

これらの改正は段階的に施行されており、2026年1月現在、すでに一部が施行済みです。

『知らなかった』では済まされない——改正内容を正しく理解せずに外国人を雇用し続けると、在留資格の不許可、不法就労助長罪、行政処分のリスクに直面します。

本記事では、行政書士の立場から、直近の入管法改正の重要ポイントと、企業・外国人本人が取るべき対応策を、最新情報をもとに解説します。

2. 【最重要】2027年4月施行:技能実習廃止と育成就労制度の創設

2-1. 技能実習制度廃止の背景

技能実習制度は1993年に創設され、開発途上国への技能移転を目的としてきました。

一方で、以下の問題が長年指摘されてきました。

技能実習制度の問題点
・実態は『人手不足対策』であり、建前との乖離
・転籍が原則禁止で、労働者の権利が制限
・失踪者の増加(年間約9000人)
・賃金未払い・ハラスメント等の人権侵害

これらの問題を受け、政府は2027年4月1日をもって技能実習制度を廃止し、新たな制度『育成就労』を創設することを決定しました。

2-2. 育成就労制度とは?

育成就労制度は、**『特定技能1号水準の人材を育成し、人材確保を図ること』**を目的とする新しい在留資格です。

育成就労制度の特徴
目的の明確化:建前を排除し、人材育成・人材確保を明確に
転籍の緩和:一定条件下で本人意向の転籍を認める
日本語要件の強化:入国時A1レベル、1年後A2レベル
受入企業の要件厳格化:適正な雇用管理体制が必須

2-3. 技能実習と育成就労の比較

技能実習
・制度目的:国際貢献・技能移転
・在留期間:最長5年
・転籍:原則禁止
・日本語要件:なし
・特定技能への移行:試験合格が必要
・受入対象:15分野
・監理:監理団体あり
・施行:1993年〜2027年3月

育成就労
・制度目的:人材育成・人材確保
・在留期間:最長3年
・転籍:1年経過後、条件付きで可能
・日本語要件:入国時A1、1年後A2
・特定技能への移行:自動的に移行可能
・受入対象:13分野(予定)
・監理:監理支援機関(名称変更)
・施行:2027年4月〜

2-4. 育成就労の転籍要件

転籍が認められる条件
・1年以上の就労(やむを得ない事情がある場合は1年未満でも可)
・日本語能力試験N5以上に合格
・転籍先企業が適正であること
・監理支援機関の支援を受けること

転籍制限期間
・原則:1〜2年(分野により異なる)
・2026年1月時点の政府方針:『当面2年』

技能実習では原則禁止だった転籍が、育成就労では条件付きで認められます。これにより、外国人労働者の権利が大幅に向上します。

2-5. 企業が準備すべきこと

技能実習から育成就労への移行スケジュール
・2026年1月:省令・運用要領の詳細が順次公表
・2027年3月末:技能実習の新規受入停止
・2027年4月1日:育成就労制度の施行

企業の対応
・現在の技能実習生の継続雇用計画を策定
・育成就労への移行手続きを理解
・日本語教育体制の整備
・適正な雇用管理体制の構築

3. 【2025年10月施行済】経営管理ビザの厳格化:資本金3000万円時代へ

3-1. 経営管理ビザ厳格化の背景

経営管理ビザは、外国人が日本で事業を経営・管理するための在留資格です。

従来の要件は『資本金500万円以上 または 常勤職員2名以上』でしたが、2025年10月16日から大幅に厳格化されました。

厳格化の背景
・実態のない『名ばかり経営者』の増加
・ビザ目的の形式的な会社設立
・『量から質への転換』政策

3-2. 新しい許可基準(2025年10月16日施行)

5つの新要件

① 資本金要件の大幅引き上げ
・旧:500万円以上
・新:3000万円以上

② 常勤職員の雇用義務化
日本人または永住者・定住者を1名以上雇用
・従来の『2名以上(外国人でも可)』から厳格化

③ 経営経験または学歴の要件
3年以上の経営経験
・または修士以上の学歴(経営関連分野)

④ 日本語能力の要件
日本語能力試験N2(B2レベル)相当
・または日本語ができる常勤職員を配置

⑤ 事業計画の専門家確認
・公認会計士・税理士等による事業計画書の確認

3-3. 経過措置と適用除外

経過措置
・2025年10月16日以前に許可を受けた経営管理ビザ:新基準は適用されない
・更新時は旧基準で審査

適用除外
・上場企業の役員
・一定規模以上の企業(資本金1億円以上など)

3-4. 企業・外国人が取るべき対応

すでに経営管理ビザを持っている方
・更新時は旧基準が適用される
・ただし、実態のない経営は更新不許可のリスク

これから経営管理ビザを申請する方
・資本金3000万円の準備
・日本人常勤職員の確保
・事業計画書の作成と専門家の確認
・日本語能力の証明(N2合格)

行政書士のサポート
・事業計画書の作成支援
・要件充足の可能性診断
・申請書類の作成・提出代行

4. 特定技能制度の適正化:転籍要件の緩和と受入枠の拡大

4-1. 特定技能制度とは?

特定技能は2019年4月に創設された在留資格で、人手不足が深刻な分野において即戦力となる外国人材を受け入れる制度です。

特定技能の2つのカテゴリー
特定技能1号:最長5年、家族帯同不可
特定技能2号:在留期間制限なし、家族帯同可

4-2. 特定技能の最新改正(2025年9月施行)

改正ポイント1:在留期間の延長
・旧:最長1年ごとの更新
・新:最長3年の在留期間

改正ポイント2:『5年の壁』の緩和
・産休・育休・病気療養期間を在留期間のカウントから除外
・実質的に5年を超えて在留可能に

改正ポイント3:転籍要件の緩和
・転籍前の企業での在留期間が短くても、一定条件下で転籍可能

4-3. 特定技能の受入枠拡大

政府は2026年1月7日、2027年4月〜2029年3月の5年間で育成就労+特定技能の合計123万人受入れを閣議決定しました。

分野別受入見込み数(上位5分野)

  1. 介護:約30万人
  2. 建設:約20万人
  3. 農業:約15万人
  4. 飲食料品製造業:約12万人
  5. 外食業:約10万人

4-4. 企業が注意すべきポイント

特定技能外国人を雇用する企業の義務
・支援計画の作成・実施
・適正な労働条件の確保
・定期的な届出(四半期ごと)
・受入企業としての要件維持

5. 永住許可・在留資格取消し要件の厳格化

5-1. 永住許可要件の厳格化

2024年の改正では、永住許可の取消し要件が新設されました。

永住許可取消しの事由
・故意に公的義務(税金・年金等)を履行しない場合
・在留カードの常時携帯義務違反(3回以上)
・住居地の届出義務違反

従来、永住許可は一度取得すれば原則取り消されませんでしたが、改正により、一定の違反行為があれば取り消される可能性があります。

5-2. 在留資格取消し要件の拡大

新たな取消し事由
・偽りの書類で在留資格を取得
・在留資格に対応する活動を継続して3ヶ月以上行わない
・届出義務違反

6. 不法就労助長罪の罰則強化:企業が注意すべきポイント

6-1. 不法就労助長罪とは?

不法就労助長罪とは、在留資格を持たない外国人、または在留資格で認められていない活動に従事する外国人を雇用した企業・個人に科される罪です。

罰則
3年以下の懲役 または 300万円以下の罰金

6-2. 2024年改正での罰則強化

2024年の改正では、不法就労助長罪の罰則が以下のように強化されました。

強化内容
・罰金額の引き上げ(予定)
・悪質な事案への厳罰化
・法人処罰の明確化

6-3. 企業が注意すべきポイント

不法就労を防ぐためのチェックポイント
・在留カードの原本確認
・在留カードの有効期限確認
・在留資格と業務内容の整合性確認
・資格外活動許可の有無確認(留学生・家族滞在等)

在留カードの確認方法
出入国在留管理庁の『在留カード等番号失効情報照会』を利用
https://lapse-immi.moj.go.jp/

7. 企業が今すぐ取るべき5つの対応策

対応策1:現在雇用中の外国人の在留資格を再確認

やるべきこと
・全従業員の在留カードをチェック
・有効期限が近い従業員をリストアップ
・在留資格と実際の業務内容が一致しているか確認

行政書士のサポート
・在留資格の適合性診断
・更新申請のスケジュール管理

対応策2:技能実習生を雇用している企業は育成就労への移行準備

やるべきこと
・2027年4月の育成就労施行に向けた情報収集
・現在の技能実習生の継続雇用計画を策定
・日本語教育体制の整備
・監理団体(監理支援機関)との連携

行政書士のサポート
・育成就労移行の手続き支援
・日本語教育プログラムの紹介

対応策3:経営管理ビザの新規申請は新基準に対応

やるべきこと
・資本金3000万円の準備
・日本人常勤職員の採用
・事業計画書の作成
・日本語能力試験N2の受験・合格

行政書士のサポート
・事業計画書の作成代行
・許可要件の充足性診断
・申請書類の作成・提出

対応策4:特定技能外国人の支援体制を強化

やるべきこと
・支援計画の見直し
・定期面談の実施
・四半期ごとの届出を確実に
・労働条件の適正性確認

行政書士のサポート
・支援計画の作成・見直し
・届出業務の代行

対応策5:行政書士に相談

行政書士ができること
・入管法改正への対応状況の診断
・在留資格の申請・更新手続き
・外国人雇用管理体制の構築支援
・ビザトラブルの解決支援

相談のタイミング
・『うちの会社の外国人雇用は大丈夫?』と不安に思ったとき
・在留資格の更新が不許可になったとき
・新しく外国人を雇用したいとき

8. Q&A:よくある質問と行政書士からのアドバイス

Q1. 技能実習生は2027年4月以降どうなりますか?
A. 2027年3月末までに入国した技能実習生は、最長5年間の技能実習を継続できます。

ただし、本人が希望すれば、一定条件下で育成就労に移行することも可能です。

Q2. 経営管理ビザの新基準は既存のビザ保持者にも適用されますか?
A. いいえ、2025年10月16日以前に許可を受けた経営管理ビザには、新基準は適用されません。

更新時も旧基準で審査されます。

Q3. 特定技能外国人が転職したいと言っています。認めないとダメですか?
A. 特定技能は転職(転籍)が認められている在留資格です。

企業が強制的に引き留めることはできません。円満な退職手続きと、適切な支援を行うことが重要です。

Q4. 在留カードの有効期限が切れた外国人を雇用し続けるとどうなりますか?
A. 不法就労助長罪に問われ、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。

必ず在留期限前に更新申請を行ってください。

Q5. 入管法改正への対応が遅れた場合、どうなりますか?
A. 在留資格の不許可、不法就労助長罪、行政処分のリスクがあります。

早めに行政書士に相談し、対応を進めることをお勧めします。

9. まとめ:入管法改正への対応は行政書士にお任せください

2024年6月に成立した入管法改正は、日本の外国人受入れ制度を大きく変える歴史的な転換点です。

改正の3つの重要ポイント
技能実習廃止・育成就労創設(2027年4月施行)
経営管理ビザの厳格化(2025年10月施行済)
特定技能・永住許可の適正化(段階的に施行)

これらの改正は、外国人労働者の権利保護と、適正な外国人受入れ体制の構築を目指すものです。

しかし、対応が遅れると、在留資格の不許可や不法就労助長罪のリスクがあります。

行政書士 伊敷 紀巳雄は、入管業務を専門とし、外国人雇用・在留資格に関するあらゆるサポートを提供します。

ご提供するサービス
・在留資格の申請・更新手続き
・育成就労への移行支援
・経営管理ビザの新規申請・要件診断
・特定技能の支援計画作成
・外国人雇用管理体制の構築支援
・ビザトラブルの解決

お問い合わせ

行政書士 伊敷 紀巳雄
Email:arise@ishiki24.net
営業時間:9時〜18時

※初回相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。

参考情報
・出入国在留管理庁『令和6年入管法等改正法について』:https://www.moj.go.jp/isa/01_00461.html
・出入国在留管理庁『育成就労制度の概要』:https://www.moj.go.jp/isa/content/001452485.pdf
・出入国在留管理庁『在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について』:https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html
・在留カード等番号失効情報照会:https://lapse-immi.moj.go.jp/

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